先日、親戚のおばちゃんからこんな相談がありました。
今やっている投資商品があるんだけれど、これってこのまま続けた方が良いのかしら?
よくよく話を聞いていくと、証券会社の窓口でNISA口座を早々に開設していたらしく、そこの窓口でオススメされた投資商品を購入していたそうです。
毎月分配金がもらえるのよ~。
たいした金額じゃないけれど、お得よね~。
最近、「S&P500」とか「ナスダック」とかを耳にするようになり、他の投資商品を探してみようと思ったそうです。
そう、親戚のおばちゃんが投資していた商品は、今回の記事のテーマである「毎月分配型投資信託商品」だったのです。
「毎月分配型投資信託」とは何なのか
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金融庁発表のレポート
2017年に金融庁からこのような発表がありました。
我が国の投資信託の残高の過半を占めている毎月分配型投資信託については、複利効果が働きにくいことに加えて、元本を取り崩しながら分配される場合には運用原資が大きく目減りして、運用効率を下げてしまうということが問題点として指摘されている。
金融庁「平成28年事務年度金融レポート」
このレポートでは、毎月分配型投資信託があまり良くないものとして発表されているわ。
何が良くないのかな?
ちょっとよく分からないなあ。
「毎月分配型投資信託」とはその名の通り、毎月「分配金」(配当金と同じようなものです)が支払われる投資商品です。
たった1つの投資信託を買うだけで、日本株だと年2回、米国株でも年4回の配当が主流な中で、毎月1回の年12回の分配金による収入が得られるんです。
それって、毎月お金もらえるから、すごい嬉しいよね!
ヤッピーくん、それはちょっと違うのよ。
これには問題があるの。
何が問題なのかというと、分配金が預けた元本から払われてしまう可能性があるんです。
投資信託の分配金とは
そもそも、日本の投資信託の分配金には2つの種類があります。
- 普通分配金
- 特別分配金
普通分配金
普通分配金とは、ファンドが顧客から預かった資産を運用して出た利益の中から分配金を支払うものです。
顧客から預かったお金を上手に使って、増やしてそれを還元してくれるのです。
例えば、あなたが預けた100万円をファンドは105万円に増やしたとします。
その場合、3万円をあなたに分配し、2万円が証券会社の取り分となります。
至極真っ当な方法ですね。
特別分配金
じゃあ、特別分配金ってなんなの?
「特別」と聞くと、何かお得な響きがるけれど、実は全くお得なものではないのよ。
特別分配金とは、ファンドが資産を運用して思うようにリターンを得られなかった時、顧客が預けた元本を取り崩して払う分配金のことを指します。
例えば、あなたが預けた100万円をファンドがうまく運用することができず、増やすどころか95万円に減らしてしまったとします。
でも、毎月分配金を払うことは約束しているので、3万円を工面しないといけません。
では、どこから3万円を支払うのでしょう。それは、あなたが預けた元本からです。
つまり100万円から減った95万円…そこからさらに3万円が引かれます。
さらに、いつも通り管理手数料は引かれるので、実際はもっと少ない金額になってしまいます。
まさにタコが餌を手に入れられなかった時に、自分の足を食べてしまう…
その様子からタコ足分配とも呼ばれています。
「分配金がもらえた」と思っていたら実は自分が預けた3万円を返されただけです。
その上、手数料だけはしっかり取られていますから、騙されたみたいでショックですよね。
実際、2016年の金融庁の調査によるとこの毎月分配型投信を持っている約5割の人が「元本から分配金を支払われるリスクがある」ことを認識していませんでした。
親戚のおばちゃんも見事にその通りでした。
ひゃ~!分配金でぬか喜びもいいところね!!
騙された気分よ!!
こう言ったトラブルがあるため、米国では特別分配金という制度自体が禁止されています。
しかし、日本の毎月分配型投信は分配金が支払われれば「しっかりと運用してくれているんだな」と思ってくれている個人投資家たちをいいことに、元本から分配金を払って、ただ手数料を稼いでいたのです。
アメリカはそんなことないみたいなのに。
日本の投資信託の闇を見た気分だよ…。
もちろん全ての毎月分配型投資信託がそうというわけではないわ。
中にはしっかりと分配金以上の運用益を出して元本に全く手をつけていないファンドもあります。
それを見極められれば良いのですが、1,000を超える毎月分配型投資信託から見つけ出すのは至難の技です。
そもそも、分配金や配当金は、再投資をすることで複利の効果を最大限に発揮することができます。
基本的に資産形成期には、投資信託であれば「再投資型」を選択した方が良いわけだよね!
さすがヤッピーくん!!その通りよ!!
親戚のおばちゃんの行く末
さて、親戚のおばちゃんはどうなったのでしょう?
今までそれこそ塩漬けで、分配金もいくら出ているのかなんて詳しくはわかってなかったのよ。
証券口座に問い合わせてみたらビックリ!!なんと投資したお金が半分になっていたわ!!
親戚のおばちゃんは、証券口座の閲覧の仕方も分からない状態でした。
この投資信託の解約をお手伝いし、その売却したお金を元手に海外投資をスタートされたわ。
投資をしてみたいと少しでも思うのならば、「ほったらかし投資」が投資初心者にはお勧めです。
投資のやり方はたくさんありますが、YAPPY GLOBAL LAB.ではアメリカを中心とした海外への直接投資をお勧めしています。
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