お金の「貯め方」ではなく「使い切り方」に焦点を当てたこれまでにない「お金の教科書」
アリとキリギリスの話は知っている?
知っているよ。勤勉なアリは冬の食料を貯めるために、夏の間せっせと働き、一方気楽なキリギリスは遊んで過ごしたんだよね。
そう。結果、厳しい冬の寒さの中、アリは生き残り、キリギリスには悲惨な現実が待ち受けるのよ。
つまり、この寓話の教訓は、人生には働くべき時と遊ぶべき時があるということなのよ 。
だから多くの人はこの教訓を生かし将来困らないように、今せっせと働いているんだね。
でもここでちょっとした疑問があるの。
じゃあ、いったいアリはいつ遊ぶことができるのかしら?
短い人生を働くことばかりに捧げ、楽しむ機会を失っているんじゃないいかしら。
確かにそうだね…。
もちろん、生きるためには働かなければならないわ。
でも備え(老後の生活を豊かにするため)だけのために働いて、今の時間を充実したものにできていないというのは考えものね。
今回ご紹介するのは『DIE WITH ZERO』という本です。
これは、お金の「貯め方」ではなく「使い切り方」に焦点を当てた、これまでにない「お金の教科書」 です。
お金を使う理由や使い方を教えてくれていて新鮮でとても面白かったので、オススメしたいと思います。
- やりたいことを先送りせず、今という人生を楽しむための方法を教えてくれます。
- あなたの大切なお金を、最も価値のあるものと交換する方法を教えてくれます。
著者のプロフィール
著者:ビル・パーキンス
1969年、アメリカテキサス州ヒューストン生まれ。
アメリカ領ヴァージン諸島を拠点とするコンサルティング会社BrisaMaxホールディングスCEO。
アイオワ大学を卒業後、ウォールストリートで働いたのち、エネルギー分野のトレーダーとして成功を収める。
現在は、1億2000万ドル超の資産を抱えるヘッジファンドのマネージャーでありながら、ハリウッド映画プロデューサー、ポーカープレーヤーなど、さまざまな分野に活躍の場を広げている。
本の概要
「何のために生きているのか」「どのように生きるのが幸せなのか」誰しもが考えるこの2つの問題。
『DIE WITH ZERO』では、この2つの問題について、以下のような提案をしながら答えへと導いています。
・お金は「今しかできないことのために使え」
・若いうちにしかできない「経験」は、借金をしてでもやれ
・人生で一番大切な仕事は「思い出づくり」
・45歳~60歳で資産を取り崩し始めよ
・ゼロで死ね
貯金ゼロで死ぬことを目標とする。
老後のために資産を増やさなければと考えていたが真逆の発想。
年老いてからは体力、健康面から出来ることが限られてくるので支出が減る。
経験したことは思い出として残るので財産となる。
若いうちに経験を多くした方がいい。
資産の取り崩し時期を見誤らないように。
本を読んだ感想
この筆者は、「人生とは経験の合計であり、人生でしなければいけない一番大切なことは思い出で作りである」と言っています。
分かっていながら、毎日の忙しさで忘れていたことを思い出させてくれました。
やりたいことがあったら今やればいい、これから何かにチャレンジしようと考えている人の背中を押してくれる本だと思います。
これまで「将来のために貯金をしろ」という考えが主流になっていた中で、「資産を残さずに死ね」というのは新しい発想でした。
特に心に刺さったのは、「喜びを先送りしない」という言葉。
今という身体が自由に効き、家族と過ごせるこのかけがえのない時間にお金を投資することも大切だと気づかされました。
また多くの親が自分の死に際に、わが子に財産を残すということを考えがちですが、子どもの大きなライフイベント(家を買う・子どもが産まれる等)が重なるタイミングで相続をする方がお金の価値を有効活用できる、という発想に共感しました。
自分の子どもに向けて実践したいと思います。
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