ちょっと季節外れですが、お正月にもらうお年玉。
親からは当たり前のように、
「貯金しなさい」と言われますね。
でもちょっと待ってください!
「貯金」だけが選択肢となっているのはもったいない。
お年玉は子どもにマネリテラシーを身につけさせる、大事な機会になるかもしれません。
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1. 普通預金の破壊力
普通預金の金利が0.001%の今、1000万円を1年預けたって100円にしかなりません。
しかも、ここから税金が20.315%しっかり引かれます。税引き後の利息は80円。
複利で10年預けても、たったの797円にしかならないのです。
ちなみに年1万円の利息をもらうには、預けるお金が12億円くらい必要です。
金利0.001%の破壊力を見てみましょう。
お年玉をもらった子に、このお金を「運用しなさい」とすすめる親はあまりいないですよね。
親は常に子どものためを思って、ああしなさい、こうしなさいとアドバイスする存在です。
そんな子ども思いの親がなぜ資産を増やす方法ではなく、金利0.001%の「貯金」を子どもにすすめるのでしょうか。
その答えは歴史を少しだけ遡ってひも解くことができます。
2. 日本人はなぜ貯金が好き?
結論から言うと、そもそも日本では「投資」をする必要がなかったので、結果として「貯金」での運用が主流になったのだと思います。
自分の親もそうですけれど、団塊世代より上の人たちは、個人で積極的に投資をする必要がありませんでした。
日本は手厚い年金制度があり、終身雇用に伴う退職金があったため、自分で資産形成をしなくても国と会社が老後の面倒を見てくれました。
一方で、欧州や米国はそういう環境にありませんでした。欧州の福祉国家は医療や年金といった支えは充実していますが、日本のような終身雇用制度はありません。米国にも終身雇用制度はなく、最近まで医療保険も個人の選択でした。
欧米の人たちは、人生設計の大前提として、自分で資産をつくり備えないといけない社会で生きているのです。
つまり、日本人が投資ではなく「貯金」を選択してきたのは、わざわざ「投資」のリスクを取らなくても安定した人生を送れたからなのです。
3. 資産は自分で形成する時代へ
今後日本はどうなっていくのでしょう??
現在の働き方改革と年金制度の不透明さにより、人々の価値観は変わってきているようです。
終身雇用:
最近では日本でも転職が珍しいことではなくなり、かつての終身雇用制度も崩壊しつつあります。
経団連会長とトヨタの社長が「終身雇用は難しい」と発言したことも記憶に新しいですよね。
最近では欧米型雇用形態の「ジョブ型」なんていうのも流行っていていますね。日本の多くの企業に見られる、終身雇用を前提に企業がゼロから人材を育てるという考え方の「メンバーシップ型」から、職務を明確にした上で最適な人材を配置する「ジョブ型」へ移行していくと見られています。
年金制度:
年金制度についても疑問視されてきており、預貯金だけでは老後の生活が成り立つのか不安に感じている人も多いようです。生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査」では、9割近くもの人が老後に不安を感じていると答えています。確かに、不安に感じていない人に会ったことないですね。
年金制度が破綻して「全くもらえなくなる」という極端なことはないとしても、将来、年金額が引き下げられる可能性が高いことは、厚生労働省の「財政の現況及び見通し」で明らかになっています。
高齢者の人口増に伴い、年金受給者の割合は年々増えています。反対に、公的年金受給年額は減っています。
今後ますます少子高齢化の流れは進むので、将来支給される年金に不安を抱くのも必然と言えます。
一昔前は終身雇用で生活が守られ、年金も当たり前のように支給される環境にあったため、お金はとにかく「貯金する」で問題がなかったわけです。
しかし、終身雇用と年金が「投資しなくてもよい理由」であったとするならば、これらが確実なものではなくなりつつある今、私たちの姿勢も変えていかなければなりません。
4. 子どもにどう金融教育をしていくか
自分の子どもが大人になる頃には、この流れがより進み、自分で資産を形成することが当たり前になってくることでしょう。
お年玉もそうですが、自分の子にどうお金の知識を教えていくか、私自身が模索中です。
日本では金融教育が義務教育の中で扱われないため、私自身が学校で教わる機会はありませんでした。自分が教わってないことを他人に教えるためには、教え方を自分で考えなければなりません。
娘はまだ4歳ですが、お買い物ごっこをします。
スーパーへ行けばおねだりが始まります。
じいじ、ばあばから、お金やプレゼントをもらう機会もあり、少しずつ生活にお金が登場するシーンが出てきています。
「稼ぐ」「貯める」「使う」以外に「増やす」力を身につけてほしい。
今まで当たり前だった価値観を払拭して、お金の仕組みを教えていがなければなりませんね。
- 過去記事も参照してくださいね
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