「投資」と「投機」の違いは？　資産を形成するには投資を選ぶべき

「投資はギャンブルみたいで怖い 」

投資をしたことがない人に「やらない理由」を聞いてみると、損するリスクを過剰に恐れていたり、ギャンブルと同じように考えていたりする人がいるようです。もちろん投資である以上、損失が発生するリスクはあるけれど、それはやり方次第。

まずは、「投資」と「投機」の違いを見ていきましょう。

投資と投機の違い

まず投資と投機の違いは、「資（資本）」に投じるか、「機（機会）」に投じるかの違いと考えると分かりやすいかもしれません。

一般社団法人全国銀行協会HPには、以下のように説明されています。

投資は、将来が有望な投資先に、長期的に資金を投じることです。そして、投資に対して投機とは、相場の変動を利用して利益を得ようとする短期的な取引であり、相場によっては大きな損失が発生する可能性があります。投資には必ずしも元本保証があるわけではありませんが、長い目でお金を増やしていくところが、投機とは異なります。

【90秒でわかる！】貯蓄と投資・投資と投機の違い | B.貯蓄する | 一般社団法人 全国銀行協会 (zenginkyo.or.jp)

• 投資

同じ株式で資産運用する場合でも、将来の成長が期待できそうな企業に対して行うのが「投資」です。企業が成長すれば、配当金や優待などのかたちで還元されますし、株価が上がれば売却益も増えますね。

企業の成長をじっくり待ちながら利益を出すので短期では難しく中長期の保有となるわけです。

• 投機

一方の「投機」は、株価の推移を見て、値段の上下変動を利用して売却益を得ることを言います。機会（チャンス）とあれば、１日に何度も売買を繰り返すデイトレードなどがそれにあたります。

企業の業績よりも株価の値動きに応じて売買するので、短期的でギャンブル性が高い運用となります。

着実に資産を形成するためには、「投機」ではなく「投資」を選ぶことが大切です。

３つのサムゲーム

多くの人にとって資産を運用する目的は「お金を増やすこと」にあると思います。

ベットしたお金に対してリターンがどうなるかを表すものに、以下３つの分類があります。

① プラスサムゲーム
② ゼロサムゲーム
③ マイナスサムゲーム

プラスサムゲーム

プラスサムゲームとは、プレイヤー全体の損益の合計（SUM）がプラスになることを意味します。

搾取されるわけではなく、誰かを打ち負かして勝ちを得るわけでもない、プレイヤーにとって非常に理想的なゲームです。運やタイミング、個人の実力次第では損失もありますが自身の勝ちに他者が影響しないのが特徴です。

長期の株式投資がこれに当てはまります。

みんなが企業に長期的に投資をすると、企業は成長し投資家へ配当金などを還元します。
結果、みんなが利益を得ることになります。

ゼロサムゲーム

ゼロサムゲームとは、プレイヤー全体の損益の合計（SUM）がゼロになるというものです。

誰かが勝てば誰かが負ける、そんなルールがこれに当てはまります。あらかじめ「勝ち」があってそれを取り合うようなイメージです。

デイトレードやFX、麻雀などが分かりやすい例です。利益を得る人がいる一方、その裏で損をする人もいるわけです。

マイナスサムゲーム

マイナスサムゲームとは、プレイヤー全体の損益の合計（SUM）がマイナスになるというものです。

プレイヤーの中には勝つ人もいれば、負ける人もいますが、全体でみるとプレイヤー側の負けのほうが大きくなるゲームです。プレイヤーの負け分は、ゲーム運営者であるオーナーの取り分になります。

オーナーがビジネスとして運営している場合が多く儲かる仕組みになっているため、プレイヤーのほとんどが負ける仕組みになっているのです。

ギャンブル、競馬、宝くじなどが、これに当てはまります。

ただ、宝くじも悪いことばかりではありません。いつでも、だれでも、どこでも買いやすく、特別な知識がいらないため、多くの人が気軽に書くことができます。「お手軽に大きな夢を見ることができる」のです。

お金を増やすならプラスサムゲーム

繰り返しになりますが、「株式投資」はプラスサムゲームです。

特に長期的な投資の場合、株式の価格上昇おそび配当金によって、多くのプレイヤーが「勝ち」を享受する可能性があります。

そして「投機（FXやデイトレード）」はゼロサムゲームです。

厳密にはFX会社の手数料があると言われているので、微妙にマイナスサムになりますが、ほとんどゼロサムと言えます。儲かる人がいれば、どこかで同じだけ損をする人がいるわけです。

皆さんは「投資」と「投機」、どちらを選択しますか？

人はそれぞれ違った価値観を持っているので、一概にどれが最良とは言えませんが、資産を形成していくには、運にかけるような「投機」ではなく、時間を味方につける「投資」を選択するのがよさそうですね。